夫を亡くした母・安藤明美さんは、絶望に暮れる暇もなく、二人の子供を育てるための過酷な現実に直面した。フィギュアスケートは、年間で数百万円単位の費用がかかる非常に高額な競技だ。リンクの使用料、衣装代、振付料、海外遠征費……。
明美さんは昼夜を問わず働き詰めとなり、家計をやりくりしながら美姫のスケート環境を守り抜いた。時に厳しい言葉で叱咤し、時に温かく抱きしめる。どんなに経済的に追い詰められても、娘の前で弱音を吐くことは一切なかったという。周囲のサポートを仰ぎつつ、世界に挑戦するための基盤を築き上げた母の存在なくして、後の世界女王誕生はあり得なかった。