加害者のアプローチは驚くほど手慣れている。古典的でありながら今なお最も多いのが、ターゲットがトイレに立ったり、別の人と会話に夢中になったりした隙を狙ってグラスに粉末や液体を落とし込む手法だ。だが、最近の手口はさらに先を行く。
あらかじめ注射針のような細い器具を用いて未開封のペットボトルに薬液を注入したり、ドリンクではなくアイスクリームやスナック類、フライドポテトなどの食べ物に混ぜて提供したりするケースが確認されている。「未開封だから安心」「アルコールじゃないから大丈夫」という油断が突かれているのだ。被害者は酒に酔ってつぶれただけにしか見えないため、周囲の人間も異変に気づけず、親切な振りを装った加害者によってそのまま連れ去られてしまう。