美輪明宏という偉大な存在を語る上で欠かせないのが、代表作『黒蜥蜴』と社会現象を巻き起こした『オーラの泉』である。三島由紀夫がその美貌と類稀なる演技力に狂喜し、彼女(彼)のために戯曲を書き下ろしたという逸話は、日本の文化史に燦然と輝く金字塔だ。自ら主演・演出を務めた舞台『黒蜥蜴』は、耽美主義の極致として演劇界に計り知れない衝撃を与えた。
一方で、2000年代に芸能界を席巻した『オーラの泉』では、スピリチュアルな視点から人々の悩みに寄り添い、「愛と物質主義のバランス」「感謝の心」を語りかけた。お茶の間に空前のスピリチュアルブームを巻き起こしたこの番組の根底にあったのは、単なる予言などではなく、過酷な時代を生き抜いてきた彼自身の深い人間愛に他ならない。