当時の大和朝廷は、豪族どうしの激しい権力闘争の渦中にあった。物部氏と蘇我氏の血で血を洗う武力衝突は、国家の存亡を揺るがすほどの爪痕を残していた。
血判と武力による力ねじ伏せから、議論と合意形成による政治へ。凄惨な権力闘争を勝ち抜き、国家のあり方を模索していた大和朝廷にとって、議論のルールを定めることは悲願であった。
互いの立場や利益が衝突するとき、力で相手をねじ伏せるのではなく、円卓を囲んで議論を重ねる。絶対的な指導者が一人で全てを決めるのではなく、合意形成を重んじる。この政治的システムこそが、苛烈な時代を生き抜くための最も強固な基盤となったのである。