1965年に20世紀フォックスが製作した映画版『サウンド・オブ・ミュージック』において、この楽曲は映像芸術としての完成度を極めた。名優クリストファー・プラマー演じるゲオルク・フォン・トラップ大佐は、厳格な元海軍将校でありながら、ナチスへの忠誠を頑なに拒絶する筋金入りの愛国者として描かれる。
長年閉ざされていたトラップ大佐の心が子どもたちの前で解き放たれ、震える手でギターを取り歌い始める場面は、家族の絆の再生を象徴する。さらにクライマックスの音楽堂では、ジュリー・アンドリュース演じる修道女見習いマリアの澄んだソプラノが寄り添い、二人の声が重なることで、亡命を決意した一家の覚悟が際立つ。クリストファー・プラマーの重厚な演技とジュリー・アンドリュースの無垢な歌声のコントラストが、映画音楽としての劇的効果を極限まで高めている。