1990年代後半、テレビ東京系列で放送されていた『ASAYAN』は、数々のスターを世に送り出す巨大メディアだった。「シャ乱Qロックボーカリストオーディション」の最終候補に残りながらも落選した5人の少女たち。彼女たちに提示されたデビューへの条件は、手売りでシングルCD5万枚を売り切ることだった。その熱狂の中心にいたのが、当時弱冠12歳の福田明日香である。
彼女のソウルフルで伸びやかな歌声は、初期モーニング娘。の音楽的骨格そのものだった。プロデューサーのつんく♂は、彼女の表現力を「10年に一人の逸材」と高く評価。インディーズ曲「愛の種」の手売り達成を経てリリースされたメジャーデビューシングル「モーニングコーヒー」では、メインボーカルとして圧倒的な存在感を放った。日本中が彼女たちのシンデレラストーリーに酔いしれ、女性アイドルグループの新時代が幕を開けた瞬間だった。