二人の出会いは1961年(昭和36年)、雑誌の対談企画がきっかけでした。当時、美空ひばりはすでに国民的スターとしての地位を不動のものにしており、小林旭もまた映画『渡り鳥』シリーズや『旋風児』シリーズで爆発的なヒットを連発する映画界のトップランナーでした。
トップスターゆえの孤独や重圧を共有できた二人は急速に距離を縮めます。過密なスケジュールを縫いながら逢瀬を重ね、やがて結婚を意識する真剣交際へと発展しました。しかし、この交際発覚は双方の所属事務所や映画会社、そして何よりひばりの母である加藤喜美枝にとって寝耳に水の事態でした。
ひばりは幼少期から母と二人三脚でスターへの階段を駆け上がっており、私生活のすべてを喜美枝が管理していました。「ひばりの男」として名乗りを上げた小林旭に対し、母は強い警戒感を抱きながらも、娘の強い情熱を前に条件付きで交際を認めざるを得ない状況へと追い込まれていきました。