いまやテレビで見ない日はないトップ芸人となったチョコレートプラネット・松尾駿の経歴を振り返ると、その道のりは決して平坦なものばかりではありませんでした。NSC東京校11期生として2006年に結成されたチョコレートプラネットは、コントの実力派として早くから業界内で注目され、『キングオブコント』でも幾度となく決勝に進出していたものの、世間一般への爆発的な知名度獲得にはあと一歩届かない時期が続いていました。
転機が訪れたのは2017年前後のことです。チョコプラ松尾がIKKOのモノマネを始めたきっかけは、劇場の楽屋やライブの合間に芸人仲間から「カツラを被ったら顔がIKKOさんにそっくりだ」と指摘された些細な出来事でした。実際にウィッグを合わせ、メイクを施してみたところ、周囲の芸人たちから想像を絶する爆笑が起こったといいます。
手応えを掴んだ松尾は、IKKOの過去の出演番組や所作を徹底的に研究。代名詞である「どんだけ〜」はもちろんのこと、IKKOが感情を高ぶらせた際に発する「背負い投げ〜」「まぼろし〜」といったキラーフレーズを絶妙なデフォルメとハイトーンボイスで再現するスタイルを確立しました。
さらにこのブレイクを決定づけたのが、相方である長田庄平が扮する和泉元彌とのユニット展開です。「IKKOと和泉元彌」という、本来交わるはずのない二大強烈キャラクターが並び立ち、松尾がハイテンションで叫び、長田がそろりそろりと舞う異次元のコントラストは、日本テレビ系『ウチのガヤがすみません!』をはじめとする数々のバラエティ番組で爆発的なヒットを記録しました。