インターネット上の掲示板やSNSでは、「パチンコ店が警察に賄賂を渡しているから捕まらない」「所轄警察署と店長が裏で通じている」といった陰謀論めいた噂が後を絶ちません。しかし、業界の当事者や警察担当記者への取材を通して見えてくる実態は、単純な買収関係とは大きく異なります。
かつてパチンコ産業に警察が本格介入した最大の契機は、「暴力団の資金源遮断(暴排)」と「不透明な換金市場の脱税防止」でした。昭和の時代、パチンコの景品交換所には暴力団関係者が深く関与し、莫大な闇資金が地下鉄網のように巡っていました。これに危機感を抱いた警察庁は、身元が確かな警察関係者や退職公務員を交換所事業や業界団体の管理部門に関与させることで、ヤクザを業界から徹底的に締め出す戦略を取ったのです。
現場のホール関係者は次のように明かします。
「警察OBを顧問として迎えているのは事実ですが、それは違反を見逃してもらうためではありません。所轄署の臨検(立ち入り検査)は非常にシビアで、微細な変更点でも指摘されれば営業停止の危機に直面します。OBを雇うのは、警察が求める厳格なコンプライアンス基準を遵守し、書類手続きや管理を抜かりなく行うための“守りの投資”なのです」(大手ホール運営企業・営業幹部)
つまり、世間で言われる「癒着」の正体は、金品による贈収賄ではなく、警察が業界を完全に統制・管理下に置くための「制度化された共生関係」というのが現場の客観的な真実です。