翼くんを巡る最大の謎であり、物語全体の根底を揺るがしたのが「ドクター(殻木球大 / 氏子達磨)との血縁関係」です。公式キャラクターブック第2弾『Ultra Analysis』および単行本第7巻のキャラクター紹介欄において、翼くんは「デクを診察したあの医者の孫」であることが明記されています。
デクが幼少期に母親の引子とともに訪れ、「諦めた方がいい」と無情にも無個性を告げた恰幅の良い医師こそが、裏社会でAFOのブレーンとして暗躍していた殻木球大その人でした。この事実が判明したことで、ファンの間ではひとつの戦慄すべき構図が浮き彫りになりました。
殻木球大は、表向きは小児科医や大病院の理事長として地域医療に貢献する名士を装いながら、病院を訪れる子どもたちの特異な個性を品定めし、AFOに献上・複製するための「個性の仕入れ窓口」として利用していました。その凶行は他人の子どもだけに留まらず、自らの血を分けた実孫である翼くんにまで及んでいたのです。孫の飛行個性を奪うだけでなく、身体そのものを脳無の素体として差し出すという常軌を逸した狂気は、ヒロアカという作品における悪の深淵を象徴しています。