楽曲の持つ妖艶で終末的な世界観を完璧に映像化したミュージックビデオ(MV)も、「楽園」を語る上で欠かせない要素です。監督を務めたのは、バンドの多くの名作クリップやドキュメンタリー映画を手掛けた巨匠・高橋栄樹でした。
ファンの間で長年注目されてきた楽園のMVロケ地は、西洋の廃城を思わせるクラシカルな洋館スタジオや、自然光とスモークが交錯する幻想的なロケーションが巧みに組み合わされて制作されました。吉井和哉が纏うベルベットのスーツやメンバーの妖艶な立ち振る舞いは、グラムロックの伝統を90年代の日本の文脈へと昇華させた視覚的傑作として、当時の音楽番組やMTVで強烈なインパクトを放ちました。YouTube公式チャンネルで公開されているMVは再生回数600万回を超え、2026年の最新リマスター音源とともに国内外から絶賛のコメントが寄せられています。
また、歴代の楽園のライブ映像を検証すると、バンドの成長と呼応するように楽曲の表情が深化していることがわかります。1997年の『ARENA TOUR '97 "FIX THE SICKS"』における鬼気迫るテンション、年末恒例の「メカラ ウロコ」公演での成熟したアンサンブル、そして再集結後の東京ドーム公演で見せた包容力あふれる演奏。吉井和哉の喉の病を乗り越え、結成35周年を超えて活動するTHE YELLOW MONKEYの現在において、「楽園」は過去のヒット曲という枠組みを完全に脱し、バンドとファンを結ぶ生命力そのものとして鳴り響いています。