番組史のみならず、日本のテレビ放送事故史において最大のインパクトを残したのが、2009年10月3日放送回における島田紳助氏と東京03の騒動です。当時キングオブコントで優勝したばかりだった東京03に対し、スタジオ中央で起きた出来事は、お茶の間の空気を一変させました。
事件が発生したのは、世界的なパフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が華麗なアクロバットを生披露していた最中でした。カメラが演者の超絶技巧を追うその背後、薄暗い雛壇の奥で、紳助氏が東京03の3人の元へ詰め寄り、鬼気迫る表情で問い詰める姿が見切れたのです。演目が終わり、本来なら華やかな拍手が包むはずのスタジオは異様な静寂に包まれ、司会席に戻った紳助氏の「次は絶対に許さんからな」というニュアンスの言葉が漏れ聞こえたことで、視聴者に戦慄が走りました。
この一件の背景について、後に勝俣州和氏や関係タレントがバラエティ番組やYouTube、自著で語った証言を総合すると、事の真相は「本番前の挨拶の行き違い」にありました。コント王者となり多忙を極めていた東京03側は、本番直前の楽屋挨拶回りにおいてタイミングを逸し、紳助氏への直接挨拶ができていませんでした。礼儀と筋目を何よりも重視する紳助氏にとって、それが「舐められた」と映ったことが激怒の直接的な引き金となったのです。
当時、現場に居合わせたタレントたちの証言によると、騒動直後はスタジオ全体に針を刺すような緊張が走り、誰も軽口を叩けない極限状態に陥ったといいます。後に紳助氏・東京03双方の間で正式な和解がなされ、東京03側も自身のラジオ等で「自分たちの至らなさが原因だった」と振り返っていますが、この事件は「生放送でタレント間のリアルな権力勾配が露呈した象徴的な事故」として、現在も語り継がれています。