ネットオークションやフリマアプリを開くと、「由来不明の呪い面」「怪奇現象が相次いだアンティーク鏡」といった出品が目立つ。中には詳細な「呪いの履歴」や元所有者の手記とされる文書が添付され、入札価格が吊り上がっていくケースも珍しくない。都内で長年古物商を営む男性(54)は、「10年前なら引き取り手すらいなかった怪しいガラクタが、今やプレミアム価格で飛ぶように売れる。市場規模はここ数年で一気に倍増した」と明かす。
価格を押し上げているのは、単なる希少性だけではない。買い手たちの間で形成された「ストーリーへの課金」という意識だ。物品そのものの物理的な価値ではなく、そこに纏わる怪談やエピソードのリアルさこそが価格を決定づけるプライシング構造が成立している。