Netflixやディズニープラスといった外資系配信サービスの台頭は、日本のキャスティング事情を根底から覆した。これまでの「若くて見栄えの良いタレント」を最優先する商業主義的なアプローチは後退し、作品のリアリティを支える本物の演技力が求められる時代になったのだ。その結果、物語の核心を担う重厚なキャラクターとして、60代のベテラン勢に白羽の矢が立つケースが急増している。
海外のオーディエンスにとって、日本の時代劇やクライムサスペンスに登場する彼らの佇まいは、東洋的な神秘性と深みを感じさせるシンボルとなっている。言葉の壁を超えて感情を伝える彼らの眼差しは、言葉数の少ない脚本においてこそ、その真価を発揮する。