野村昭子の名を全国区にした代表作といえば、言わずと知れた二大ヒットシリーズである。『家政婦は見た!』では、大沢家政婦紹介所の所長・大沢みどり役を熱演。市原悦子演じる秋子との軽妙なやり取り、電話越しに魅せるコミカルかつ鋭い表情は、番組のアイコンとして愛された。
一方で、国民的人気作『渡る世間は鬼ばかり』で見せた野々下タキ役の演技も忘れがたい。時に厳しく、時に温かく家族を見守る存在として、物語に重厚なリアリティをもたらした。毒舌の中に溢れ出る優しさ。エキセントリックな役柄から人情味あふれる老婆まで、彼女が演じるとどの人物も生き生きと画面の中で息づいた。