長崎新地中華街の醍醐味は、名店での着席食事だけではありません。門から門へと続く通りを歩きながら楽しむ「ワンハンドグルメ」にも、長崎ならではの歴史が息づいています。
食べ歩きの筆頭格は「長崎角煮まんじゅう」です。卓袱(しっぽく)料理の代表格である東坡肉(豚の角煮)をもっと手軽に味わえるようにと開発された逸品で、時間をかけて脂抜きされた豚バラ肉は口の中でとろけるような食感を誇ります。岩崎本舗をはじめとする専門店では、蒸したてのアツアツが店頭で手渡されます。
続いて見逃せないのが、長崎発祥の伝統スナック「ハトシ(蝦多士)」です。明治時代に中国(清国)から伝わったとされる料理で、エビのすり身を食パンで挟み、油で香ばしく揚げたもの。外側のパンのサクサク感と、内側のプリッとしたエビのジューシーな旨味が絶妙なコントラストを生み出します。小腹が空いた時のスナックとして圧倒的な満足感を与えてくれます。
さらに、お土産としても人気の高い中華菓子「麻花兒(マファール/通称:よりより)」も現地で手に入れたい名物です。小麦粉をこねて油でじっくり揚げた編み込み菓子で、噛めば噛むほど素朴な甘みと小麦の香ばしさが口いっぱいに広がります。非常に硬い「本場のハードタイプ」と、食べやすさを考慮した「ソフトタイプ」が選べる店舗もあるため、好みに応じて選別するのがポイントです。
また、店舗で食べる「皿うどん」の選択においても知識が必要です。長崎の皿うどんには「パリパリの極細揚げ麺にあんかけをかけたもの」と、「ちゃんぽん麺(太麺)を出汁で炒めて具材と絡めたもの」の2系統が存在します。地元では太麺にウスターソース(金蝶ソース)をかけて味変するのが定番のスタイル。両者の食感と風味の違いを意識して注文すると、長崎の食体験はより奥深いものになります。