2026年10月の導入以降、定着を見せるインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、手書きの実務にも大きな影響を及ぼしている。買い手が仕入税額控除を受けるためには、手書きの領収書であっても登録事業者番号(T+13桁)の記載が不可欠となった。
手書きで毎回13桁の番号を記入するのは誤記のリスクが高く、実務的にも現実的ではない。そのため、あらかじめ登録番号が印刷された専用用紙を使用するか、番号入りのスタンプを作成して自署欄付近に押印する運用が一般的だ。また、適用税率(8%・10%)と消費税額等を明確に分けて記載するフォーマットへの変更も求められている。
なお、不特定多数の顧客を対象とする飲食店、小売店、タクシーなどの事業者は、一定の要件を満たす「適格簡易請求書(簡易インボイス)」としての発行が認められている。この場合、宛名の記載を省略できるケースもあるが、税率ごとの消費税額または適用税率のいずれかを正しく示さなければ、受け取った側の経理実務において控除が否認されるおそれがある。