受講前に最も不安視されるのが「上級救命講習の難易度」と「試験に落ちる可能性があるのか」という点です。消防関係者の指導指針や実際の講習現場を確認すると、真面目に受講していれば合格率は95%以上に達し、落とすための試験ではないことが分かります。
しかし、毎回の講習で不合格者が完全にゼロというわけではありません。実技試験や筆記試験で不認定となるケースには、はっきりとしたパターンが存在します。
実技試験では、訓練用マネキンを用いたAEDと心肺蘇生法の手順(周囲の安全確認、意識確認、119番通報とAED搬送の要請、呼吸確認、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDのパッド装着から電気ショック実施)を一連の流れで淀みなく実施できるかが審査されます。
不合格や再テストになる主な原因は次の通りです。
・声出し・周囲確認の省略:「周囲の安全よし!」「あなた119番、あなたAED持ってきてください!」といった確認・指示の発声を恥ずかしがって小声で済ませたり、手順を飛ばしたりする行為。
・胸骨圧迫の質不足:「強く・速く・絶え間なく」(1分間に100〜120回のテンポ、約5cmの沈み込み)が維持できず、肘が曲がっていたり圧迫解除が不十分だったりするケース。
・遅刻や中途退出:消防庁の規程上、講習時間が厳格に定められているため、数分の遅刻や講習中の居眠り・指示無視は一発で受講無効となります。
・筆記試験の油断:講習内容をしっかり聞いていれば解ける正誤問題(○×式)ですが、講義を聞かずに睡眠を取っていると足切りラインを下回る恐れがあります。