長町エリアの鑑賞において中核となる施設が、一般公開されている武家屋敷跡野村家です。加賀藩十一代藩主・前田治脩に仕えた野村伝兵衛信貞をはじめとする野村家の屋敷跡であり、格式ある武家屋敷建築と名園を間近で見学できます。
野村家が国際的な知名度を獲得した契機は、米国の日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング)』の日本庭園ランキングで常に全国屈指の上位に選出され、フランスの『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも2つ星を獲得したことにあります。
縁側のすぐ足元まで引き込まれた曲水には錦鯉が優雅に泳ぎ、樹齢400年を超える山桃の大木や計算し尽くされた灯籠、滝の配置が立体的な小宇宙を創り出しています。2階には茶室「不莫庵(ふばくあん)」が設けられており、庭園を見下ろしながら抹茶をいただく贅沢な時間も過ごせます。豪壮な総檜造りの格天井や、狩野派の絵師による襖絵など、武家の格式を感じさせる室内意匠も見どころです。