田中みな実の名を社会現象レベルにまで押し上げた決定打が、TBSの日曜朝の看板情報バラエティ『サンデージャポン』へのレギュラー出演でした。カメラに向かって両手を顎に添える「エイッ」という決めポーズや、「みんなのみな実」と臆面もなく言い放つスタイルは、視聴者に強烈なインパクトを残しました。
この徹底したぶりっ子キャラは、当然ながら凄まじい反発を呼び起こします。週刊誌の「嫌いな女子アナランキング」では長年にわたりトップを独走。街頭インタビューやネット掲示板では連日、容赦ないバッシングが吹き荒れました。しかし、これらは無自覚な天然行動などではなく、制作陣の要求を極限まで突き詰めた結果生み出された「冷徹なプロの演技」でした。
後に自著や特別番組の単独インタビューで、彼女は当時の葛藤を赤裸々に告白しています。『台本に求められている役割を120パーセントで返すことだけを考えていた。でも、スタジオの照明が消えた瞬間、本当の自分がどこにいるのか分からなくなって涙が止まらなくなった夜が何度もありました』。視聴者が抱く記号化されたパブリックイメージを演じ切る職人魂と、素の自分との乖離。この激しい心理的摩擦こそが、後の女優・田中みな実の表現力とリアリティを醸成する揺籃となったのです。