広川ひかるさんの歩みを語る上で大きな転機となったのが、2026年8月に刊行されたエッセイ本『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA)の出版でした。夫の急逝直後から世間の憶測が飛び交う中、妻として最も近くで見てきた上島竜兵さんの素顔、苦悩、そして夫婦で過ごした28年間の軌跡を赤裸々に綴った一冊です。
発売後に行われた数々のインタビューにおいて、広川さんは本を執筆した動機について「世間に残る偏ったイメージではなく、生前どれほど優しく、繊細で、芸に対して真面目だったかを正しく残したかった」と語っています。執筆作業は当時の記憶を呼び起こす過酷な作業でもありましたが、文字に落とし込むプロセスそのものが、自身のグリーフ(悲嘆)を癒やすプロセスにもつながったと明かしています。
本が出版されたことで世間からの理解も深まり、「竜ちゃんの妻」という立場を受け止めつつ、一人の表現者として前へ踏み出す強い覚悟が芽生えたと語られています。