2026年後半から、多くの小売チェーンはマスクの定番棚を縮小し、代わりにインバウンド向けの化粧品や健康食品のスペースを拡大していた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変わり、マスク着用が完全に個人判断となって久しい。店舗側としては、利益率が低くかさばるマスクの在庫をこれ以上抱えたくないという本音があった。
この「過度な効率化」が、突発的な需要の波に対応できない脆さを生んでしまった。あるドラッグストアの店長は「以前ならバックヤードに数箱は予備があったが、今はジャスト・イン・タイムの配送システムに依存しており、店頭の棚が空になれば次の配送日まで補充できない」と明かす。