出版・アニメーション産業の歴史を振り返ると、物語の登場人物が連載終了後もこれほど息長く語り継がれる例は決して多くない。その背景には、椎名軽穂が紡いだ人間描写の深さと、集英社やProduction I.Gをはじめとするクリエイターたちの妥協なき映像化・出版戦略がある。
かつて「少女漫画」のライバルといえば、主人公の引き立て役に過ぎないケースも多かった。しかし、彼女の存在はそのステレオタイプを完全に打ち破った。妬みやプライドといった人間の泥臭い部分を否定せず、それを乗り越えて前を向くプロセスの美しさを示したことで、コンテンツビジネスにおける「長期的な愛されキャラクター」のモデルケースとなったのである。