児童向けアニメを制作する現場において、時代の要請に応えるコンプライアンスの遵守と、半世紀以上続いてきた原作のテイストを守る表現の自由とのバランスをとることは、極めて困難な作業だ。クリエイター側には「原作の持つテンポや面白さを殺したくない」という想いがある一方で、コンプライアンスを無視すれば社会的な批判に晒されるリスクがある。
世界中で児童の権利擁護に関する国際条約や規制が強化される中、アニメーション制作業界は単なる「自粛」にとどまらず、新しい表現様式を模索し続けている。過去の表現を頭ごなしに否定するのではなく、時代にそぐわなくなった要素をどのように現代的エンターテインメントへと昇華させるか、現場の試行錯誤は今も続いている。