夫婦にとって最大の試練となったのが、2013年からのMLB(メジャーリーグ)挑戦だった。シカゴ・カブスと契約を交わし、海を渡った藤川を待ち受けていたのは、異国の地での右肘靭帯断裂という過酷な現実だった。トミー・ジョン手術を受け、先が見えない長いリハビリ生活。言葉も文化も異なる異国の地で、焦りと不安に押しつぶされそうになる夫を、英香夫人は幼い子どもたちを育てながら力強く支え抜いた。
英語環境への適応から現地での生活立ち上げ、リハビリ期の食事制限に至るまで、妻の献身なしに復活の道は拓けなかったに違いない。シカゴ・カブスでの挫折と孤独を共に乗り越えたこのアメリカでの数年間こそが、藤川家の絆をより強固なものへと昇華させた決定打となった。