もともと巨大ロボットと謎の生命体との戦いを描く王道のSFアニメとしてスタートしたエヴァンゲリオン。しかし、物語の終盤から劇場版にかけてその本質は、人間の内面世界を執拗に掘り下げて解剖するサイコロジカルホラーの様相を深めていく。
ロボットアニメの枠組みを借りて描かれたのは、傷つくことを恐れて他者との接触を拒む「若者の病」だ。病室での衝撃的な一幕は、肉体的な暴力以上に精神的な侵犯であり、ホラー映画以上の恐怖を観客に植え付けた。ジャンルの境界線を軽々と越え、心理的ホラーの極限へと踏み込んだこの描写こそが、エヴァを単なる一過性のブームから永続的な伝説へと昇華させた決定的な分岐点と言える。