矢後直規のグラフィックには、一目で彼の仕事とわかる強い個性が宿っている。その技術的・思想的特徴は以下の要素に集約される。
- 圧倒的な「色」の制御: 補色関係や過剰なほど鮮やかなトーンを完璧にコントロールし、美しさと歪みが同居する独特の世界観を作る。
- 物理的写真表現へのこだわり: 可能な限り実物をスタジオで組み上げ、水、光、アクリル、布などの質感を実際に撮影するアナログな重厚さ。
- 余白の緊張感: 複雑なビジュアル要素を配置しつつも、画面全体のグラフィック的バランスとトリミングによって圧倒的な静寂と緊張感を生み出す。
CGやAIによるビジュアル生成が容易になった時代だからこそ、矢後が実践する「手と目と物質を介入させた表現」は、画面越しでも失われない圧倒的なリアリティを放つ。