情報爆発の時代。私たちは毎日膨大なデータに囲まれている。しかし、知っていることと、それを使いこなせることは別物だ。
日本の企業では長年、知識労働者の生産性向上が課題とされてきた。2015年頃から、多くの経営者が気づき始めた。従業員が持つ知識量は増えているのに、イノベーションや問題解決能力は比例して向上していない。この矛盾を解決するために登場したのがパワーナレッジの考え方である。
東京大学の教育学研究科が2018年に実施した調査によれば、従来型の座学中心の研修を受けた社員と、パワーナレッジ型の実践的学習を経験した社員では、3ヶ月後の業務パフォーマンスに平均34%の差が見られた。数字は雄弁だ。
グローバル競争が激化する中、日本企業は「知識の質」で勝負する必要に迫られている。中国やインドの優秀な人材が台頭し、単純な知識量では太刀打ちできなくなった。そこで注目されたのが、知識を戦略的に活用する力である。