大手メディアが速報記事を次々と打電する陰で、捜査の主戦場は報道陣の目から完全に隔離された場所へと移っていた。京都府警察が敷いた大規模な特別捜査本部は、事件発生直後から異例とも言える広範囲な聞き込みを実施。しかし、公に発表される捜査状況は極めて限られた断片的なものに過ぎない。
現場周辺の防犯カメラ映像の解析や、通信履歴の追跡といったデジタルフォレンジックの進展に伴い、当初の想定とは異なる人物像が浮かび上がってきたという。「表に出ていない押収品の中に、事件の核心を示す決定的な鍵がある」。長年現場を踏んできた社会部記者の取材に対し、ある捜査関係者は声をひそめてそう証言した。報道のスポットライトが当たらない暗がりで、事態は確実に動いていたのだ。