山間部を多く抱える南丹市において、害獣による被害額は年間を通じて高止まりを続けている。丹精込めて育てた作物を一夜にして荒らされる農家の苦悩は深く、離農に直結する深刻な社会問題と化していた。こうした危機感から策定されたのが南丹市鳥獣被害防止計画だ。計画では捕獲頭数の目標引き上げが掲げられてきたが、常に壁となって立ち塞がったのが「捕獲後の処理」であった。
山中に深く入り込んで大型のイノシシやシカを捕獲しても、それを安全に引き揚げ、埋設あるいは処分場まで運搬するには莫大な労力がかかる。捕獲にあたる一般社団法人京都府猟友会のメンバーからも「捕獲数を増やしたくても処理の手間が追いつかない」という苦痛の声が長年上がっていた。
南丹市役所の担当部署は、こうした現場の窮状を打開するために省庁や県と協働を重ねてきた。今回の施設建設は、捕獲現場の物理的・精神的負担を激減させ、地域全体の鳥獣害対策を次のステージへと引き上げるための必須不可欠なインフラ整備なのである。