大胆な転身を遂げた女優の多くが消費されて消えていく中、ロレッタ・リーの真価はここから発揮されます。彼女は一時的な休業や結婚・出産を経て、1999年に巨匠アン・ホイ(許鞍華)監督の社会派ドラマ『千言萬語(Ordinary Heroes)』の主演に抜擢されます。
激動の香港社会を生きる記憶喪失の女性という難役を、ノーメイクに近い抑制された演技で表現。この圧倒的な熱演が絶賛され、彼女は中華圏で最も権威ある台湾金馬奨で最優秀主演女優賞、さらに香港電影金紫荊奨でも主演女優賞を受賞しました。
世間を騒がせたヌード転身からわずか数年で、誰もが認める実力派大女優へと登り詰めたこの逆転劇は、彼女の映画人としての並外れた覚悟と才能を如実に物語っています。