日本国内でこのフレーズが幅広い世代に定着した大きな契機として、西野カナさんが2012年にリリースしたヒットシングル『GO FOR IT !!』の存在が挙げられます。
同曲の歌詞を分析すると、英語本来の「Go for it」が持つダイナミズムが見事なまでにポップスとして昇華されています。主人公は、好きな相手を前にして「想いを伝えたいけれど、関係が壊れるのが怖くて踏み出せない」という葛藤の渦中にいます。
サビで繰り返される力強いフレーズは、他者への無責任な応援歌ではなく、臆病になりそうな自分自身の背中を自ら蹴り飛ばすためのセルフ・エールとして機能しています。「ずっと胸の奥に閉じ込めていた気持ちを行動に変えるトリガー」として「Go for it」が選ばれている点に、言葉の根底にある本質的なエネルギーが克明に表れています。