処女膜(英語:Hymen)という名称は、あたかも膣の内部を完全に密閉している仕切りのようなイメージを与えがちです。しかし、解剖学において処女膜の構造と仕組みは、膣の入り口(膣口)を取り囲むように存在する粘膜のひだ(襞)として定義されます。
もし処女膜が完全に閉ざされた一枚の膜であった場合、思春期に始まる経血やおりものが体外へ排出されず、膣や子宮内に滞留してしまいます。そのため、健常な処女膜には生まれつき中央に経血を通すための開口部が存在しています。組織自体はコラーゲン繊維や弾性繊維、毛細血管を豊富に含む柔軟な粘膜組織で構成されており、ゴムのように伸び縮みする性質を持っています。
「処女膜は身体のどこにあるのか」という位置関係の疑問についても、しばしば子宮の奥深くにあると勘違いされがちです。実際には小陰唇の内側、膣口からわずか数ミリ〜1センチ程度入ったごく浅い位置に位置しています。つまり、身体の奥深くではなく、外性器から内性器へと移行する境界部分に形成されている組織です。