高校野球のコールドゲームには、大きく分けて「点差によるもの」と「天候・日没によるもの」の2種類が存在する。ファンにとって馴染み深いのは地方大会で採用されている点差コールドだ。一般的に5回以降10点差以上、または7回以降7点差以上の差がついた場合に主審の宣言によって試合が打ち切られる。
ただし、甲子園球場で行われる「全国高等学校野球選手権大会」本大会においては、長年点差によるコールドゲームは採用されていない。どれほど点差が開こうとも、9回完投まで戦い抜くのが甲子園の原則だった。一方、雨天や落雷などの悪天候による「天候コールド」は本大会でも適用される規定であり、試合が5回(あるいは一定のイニング)を消化した段階で正式試合として成立する仕組みになっている。
この「地方大会と甲子園本大会におけるルールの非対称性」が、実は現代の現場に独特の緊張感を生み出している。地方大会を圧倒的な打力で勝ち上がってきた強豪校が、コールドなしの甲子園で初めて9回を通した投手運用に苦慮するケースも珍しくない。