だが、野球の恐ろしさは最後の3アウトを取るまでわからない。リードを保ったまま9回のマウンドに登ったフィリーズの絶対的守護神だったが、そこへカージナルス打線が襲いかかった。
先頭打者が粘って勝ち取った一死満塁の場面。カージナルスベンチは迷わず代打の切り札を告げる。カウント2-2からの5球目、インコース高めの速球を強振した打球は、ライト線を鋭く破る走者一掃のタイムリー二塁打となった。一瞬にして静まり返る敵地スタジアム。勝負所で見せたベンチの采配と、それに応えた選手の執念が試合の潮流を完全に変えた瞬間だった。