宮殿潜入に失敗し、ピトーとプフの手によってキメラアントの実験体へと改造されたパーム。額に巨大な水晶を埋め込まれ、感情を殺された兵士として再登場した瞬間、読者が受けた絶望感は計り知れない。
だが、物語は単なる悲劇では終わらなかった。キルアとの死闘の中で、彼が見せた極限の絶望と涙、そして「ゴンを助けてくれ」という魂の叫びが、兵士として上書きされたはずのパームの「人間の心」を呼び覚ます。自らの内に芽生えた異形の本能を抑え込み、「私はパーム=シベリア……人間のパーム=シベリアよ!」と言い放つシーンは、人類対キメラアントという種族の生存闘争を超えた、一個の人間としての勝利を意味していた。