1991年秋。当時の宮沢りえは、テレビコマーシャル、ドラマ、映画のすべてで頂点に君臨する国民的トップスターだった。その彼女が突如として発表したフルヌード写真集の存在は、メディア関係者のみならず一般社会に凄まじい稲妻を落とした。秘密裏に進められたロケ、直前まで伏せられた情報解禁、そして記者会見での堂々とした立ち振る舞い。すべてが計算し尽くされたドラマのようだった。
発売当日、都市部の大型書店には開店前から数百人を超える群衆が押し寄せた。増刷に増刷を重ね、最終的な実売部数は150万部を突破。それまでのタレント写真集の常識であった数万部〜十数万部という水準を桁違いに破壊する現象となった。ただの写真集ではなく、国民全員が所有し、語り合う「社会的共通体験」へと昇華した瞬間である。