現代の地面師は、単独犯ではなく高度にシステム化された犯罪シンジケートとして機能しています。組織内では各分野のスペシャリストが配置され、完全な分業体制(役割分担)が敷かれています。
地面師グループを構成する主な役割は以下の通りです。
・主犯(リーダー/首謀者):犯行全体の計画立案、資金調達、分配を取り仕切る司令塔。
・情報屋:登記簿や現地調査、独自の裏ルートから「所有者が高齢」「相続トラブル中」「長年放置されている」といった標的物件をリストアップする役。
・交渉役(ブローカー):不動産業界の慣習に精通し、仲介業者や買い手企業との折衝を担当。怪しまれないよう正規の不動産業者を介在させることも多い。
・偽造屋:パスポート、運転免許証、印鑑登録証明書、権利証(登記識別情報通知)などを超高精度で偽造する技術担当。
・なりすまし役:本物の地主になりきる実行犯。年齢や性別が地主と近い人物を用心深くリクルートし、身なりや所作を徹底的に仕込む。
特筆すべきは「なりすまし役」への徹底した教育です。本物の所有者の生年月日や家族構成はもちろん、過去の病歴、近隣住民の名前、実家の間取り、飼っていたペットの名前に至るまで詳細な設定資料が作られ、面談での質問に即座に答えられるよう台本を用いたリハーサルが何度も繰り返されます。面談現場で極度の緊張を見せないよう、精神的に動じない人物が選ばれる点も特徴です。