現在、花柳流は五世花柳壽輔のもと、伝統の厳格な継承と現代社会への適応という二律背反の課題に向き合っている。
インターネットの普及に伴い、かつて閉ざされていた伝統芸能の世界も少しずつ開かれつつある。一部の若手師範たちは自らのWebサイトやSNSを活用し、稽古風景や舞踊の魅力を動画で分かりやすく発信するようになった。これにより、名簿が一括公開されていなくても、意欲ある未来の門下生が正しい情報へアクセスできる環境が整い始めている。
形だけの名簿公開を行わず、一人ひとりの師範が自責のもとで信頼を積み重ねる仕組みこそが、花柳流が170年以上にわたり業界トップの地位を保持し続ける真の理由と言えるだろう。