伝統的な着物文化の支持者からは、長年「代々受け継ぐべき着物を切り刻むなど言語道断」という批判の声もあった。直線断ちで作られた着物は、解いて縫い直せば何度でも仕立て直せる構造になっているからだ。洋服へのリメイクは、その不可逆性ゆえに忌避される側面があったのは否定できない。
しかし、着る人がいなくなり、タンスの中で虫食いやカビに侵されて廃棄されるよりは、形を変えてでも現代の生活に活かすべきだという考え方が急速に支持を集めている。「切る」のではなく「活かす」。この意識の転換が、クリエイターと伝統文化の間の垣根を低くした。