海外の日本刀愛好家が惹かれるのは、刃の切れ味だけではない。その背後にある思想や哲学、すなわち「武道」の精神だ。とりわけ、伝説の剣豪・宮本武蔵が著した『五輪書』(The Book of Five Rings)は、現代でも海外の経営者やアスリート、格闘家に読み継がれるバイブルとなっている。
剣を交える行為を通じて自己を修練する「殺人刀(せつにんとう)」から「活人剣(かつにんけん)」への概念的変化は、英語圏でも "The sword that gives life, not takes it" として強い関心を集める。形を学ぶだけでなく、その技の根底にある克己心や礼節という精神的アプローチが、西洋のコンバットスポーツとは一線を画す魅力となっている。