家族の言動に違和感を覚えた際、家庭内ですべきことと、絶対に避けるべきことの境界線を明確に整理しておく必要があります。家族社会学や臨床心理学の観点からも、家族が「検査官」になって親を問い詰める関係性は、家族関係の破綻(共依存や激しい拒絶)を招くだけです。
長谷川式テストの受診に向いている人・慎重になるべき人の判断基準
- 即座に受診・検査を受けるべき人:
- 同じ話を数分おきに何度も繰り返す
- 鍋を焦がす、家電の操作が急にできなくなるなど家事能力の低下が見られる
- 本人が「最近もの忘れがひどくて不安だ」と自覚を吐露している
- 長谷川式単体では不十分であり、専門精密検査を急ぐべき人:
- 日常の会話や受け答えは完璧だが、金銭管理や複雑な契約でミスが生じる(MCIの疑い)
- 実際にはいない人物や動物が見える(幻視)、睡眠中に大声を出す(レビー小体型の疑い)
- 知的職業に従事していたため、日常会話の取り繕いが非常に上手な人
認知症の疑いが生じた際、家族が抱くべき姿勢は「暴くこと」ではなく「生活の困りごとに寄り添うこと」です。「最近疲れやすいみたいだから、念のため物忘れ外来で健康診断をしてみよう」といった、自尊心を傷つけない心理的バウンダリー(境界線)を保ったアプローチが求められます。