各種レビューサイトやSNS上で交わされている来館者の声を精査すると、リニューアルに対する満足度は総じて高い水準を維持しています。
ポジティブな評価として目立つのは、「空間の居心地の良さと展示の分かりやすさ」です。「以前の暗い展示室から一変して明るくスタイリッシュ」「子どもがハンズオン展示に夢中になり、退屈せずに地域の歴史を学べた」「天守閣の混雑で疲れた後、涼しい館内で松本の成り立ちを落ち着いて復習できた」といった声が多く寄せられています。建物のデザイン性や空調・トイレ設備の新しさ、バリアフリー対応の徹底ぶりも、家族連れやシニア層から高く評価されています。
また、1階に設けられたカフェスペースやミュージアムショップに対する評価も上々です。地元の文化や素材を取り入れたドリンク・スイーツを味わいながら、大きなガラス越しに松本の街並みを眺められる空間は、観光合間のブレイクスポットとして機能しています。松本てまりをモチーフにしたハイセンスなオリジナルグッズや図録の充実度も、旅の記念品選びに重宝されています。
一方で、リアルな現場検証からはいくつかの留意点やネガティブな指摘も浮き彫りになっています。
最大の不満点として挙げられているのが、「一般来館者用の専用駐車場が存在しないこと」です。車社会である信州において、マイカーやレンタカーで訪れた旅行者が現地の案内板を見て「駐車場がないのか」と戸惑う声が散見されます。また、学術的・専門的な資料の網羅性を重んじる一部の歴史ファンからは、「最新のデジタル演出や映像展示が増えた分、旧館時代にあったディープな古文書や武具の生展示点数が絞られたように感じる」という意見も聞かれます。ライト層やファミリー層へのアプローチを強化した結果、展示のフォーカスが「専門資料の羅列」から「文脈の体験」へとシフトしたことへの好みの分かれ目と言えます。