魚住の名を音楽史に決定づけた最大の事件が、武田薬品工業の胃腸薬CMから生まれた『男と女のラブゲーム』である。作曲を手掛けたのは、歌謡界の巨匠・馬飼野康二。二人のケミストリーは凄まじかった。
「飲みすぎたのは あなたのせいよ」という身も蓋もない導入から、男女の機微をコミカルかつ切なく描いたリリック。馬飼野康二による哀愁に満ちたメロディラインと魚住のリアルすぎる情景描写が融合した瞬間、単なるCM用ジングルは国民的デュエットソングへと変貌を遂げた。昭和歌謡の黄昏時に放たれたこの曲は、夜のネオン街とカラオケボックスを完全に制圧し、いまなおデュエットの絶対的定番として君臨し続けている。