衣類のケアラベルに並ぶ無数の記号。四角の中に丸が描かれたシンボルこそがタンブル乾燥の可否を示す国際共通のサインだ。日本国内ではかつて独自の絵表示が使われていたが、国際標準化機構 (ISO 3758)に整合させる形で、日本産業規格 (JIS L 0001)として改定された経緯がある。
この記号には明確な温度基準が存在する。中央に黒点が2つあれば「排気温度上限80℃までの高温乾燥が可能」、点が1つなら「上限60℃までの低温乾燥に限る」、そして大きな×印が付いていれば「タンブル乾燥禁止」を意味する。問題は、現代の市販服において「×」マークが乱発されている現実だ。
消費者庁に寄せられる相談事例を見ても、洗濯絵表示を見落としたことによる収縮トラブルが目立つ。だが実態はより根深い。アパレルメーカー側がクレーム回避のために、本来は低温乾燥に耐えうる生地であっても一律でタンブル禁止表示を付与する「セーフティ表示」の傾向が強まっているのだ。このギャップが消費者の判断を狂わせ、自己責任での乾燥事故を誘発している。