ユーザーの可処分時間の奪い合いは、動画プラットフォーム間の勢力図をも塗り替えた。TikTokに代表される縦型ショート動画の爆発的普及は、人々の集中力を奪い、数十分の長尺動画をじっくり観る習慣を激変させた。一方、腰を据えて映像を楽しみたい層は、莫大な制作費を投じたNetflixなどの高品質な映画やオリジナルドキュメンタリーへと流れていった。
中途半端なクオリティの長尺コンテンツは誰にも見向きもされなくなった。そうした逆風の中、再生数が激減した元人気者たちが起死回生をかけて流れ込んだのが、格闘技イベント「BreakingDown」などの異種格闘技的なリアリティショー空間だ。殴り合いや舌戦で再び注目を集めようとする彼らの姿は、泥臭い再起への執念であると同時に、アテンション(注目)を失うことへの根源的な恐怖を如実に物語っている。