どん兵衛のCM史を語る上で欠かせないのが、2017年から約5年間にわたり「初代どんぎつね」を務めた吉岡里帆さんの存在です。星野源さん演じるメガネの青年とのコミカルで心温まる掛け合いは国民的な支持を集め、どん兵衛の売上を過去最高水準へと押し上げる原動力となりました。
しかし、2026年春にシリーズは突如として幕を閉じました。ネット上では「トラブルによる打ち切りではないか」「事務所の意向か」といった憶測が飛び交いましたが、真相は契約期間の満了と日清食品のブランディング転換にあります。
日清食品は元来、一つのヒット企画に安住せず、絶頂期に次のフェーズへ舵を切る攻めの広告戦略で知られています。吉岡里帆さんの演じるどんぎつねがあまりにも完成されすぎたため、キャラクターのマンネリ化を防ぎ、次の世代に向けた新しいアプローチを試みる必要がありました。吉岡さん自身も映画や連続ドラマの主演が相次ぎ、女優としてのステージが大きく変化したタイミングと重なった円満なシリーズ完結でした。