犯罪者たちの暴走に歯止めをかけようとする警察側のドラマも、物語に重厚な哀愁をプラスしている。
定年を間近に控え、長年追い続けたハリソン山中の影を追うベテラン刑事・辰を演じたリリー・フランキー。くたびれたトレンチコートと寂しげな背中から滲み出る静かな執念は、物語に人間味のある深みをもたらした。彼が泥臭く足で稼いだ捜査のプロセスがあるからこそ、クライムサスペンスとしての緊張感が途切れることがない。
その遺志を継ぐ若手刑事・倉持役の池田エライザも、男社会の組織の中で孤立しながらも真実を追い求める強い意志を見事に演じきった。悪側の華やかでスタイリッシュな狂気と、追う側の泥臭い執念のコントラストが見事な対比を生み出している。