ストリートで圧倒的な異彩を放っていたクールスを、映画業界が見逃すはずがなかった。特に映画会社「東映」のプロデューサーたちは、彼らが持つ本物の危険な香りに目をつけた。
演技の経験など皆無だった彼らに舞い込んだのが、映画『暴力教室』や映画『男組』への出演オファーだった。スクリーンの中で彼らがみせた立ち振る舞いは、役者が演じる不良とは根本的に異なっていた。画面越しにも伝わる本物の眼光、バイクの扱い、そして喧嘩シーンで見せる野性味溢れるアクション。
役作りなど不要だった。日常の原宿で繰り広げていた空気感をそのまま映画のセットに持ち込んだ男たちの存在感は、東映映画の新時代を切り開く原動力となった。彼らのスクリーンの登場は、日本の映画界におけるストリートカルチャーの扱いを根本から変えてしまったのだ。