SNSや料理コミュニティでは、「フライパンで揚げ焼きにしたら中まで火が通らず肉が生焼けになった」「裏返す時になすが剥がれてしまった」という投稿が散見されます。フライパン調理には、深鍋の揚げ物とは異なる特有の物理的注意点が存在します。
フライパン揚げ焼きを成功させる最大のコツは、「最初の2分は触らず焼き固める」「途中で蓋をして2分蒸し焼きにする」「最後に蓋を外して強火で水分を飛ばす」という3ステップの時間管理です。
油を注いだフライパンを中火で熱し、温まったところでなすを並べます。衣が固まる前に菜箸で頻繁に触ると、衣が破れて肉だねが飛び出す直接的な引き金になります。片面にきれいな焼き色がついたら裏返し、ここで大さじ1程度の酒(または水)を鍋肌から回し入れて蓋をし、弱中火で約2分間蒸し焼きにします。
この蒸気による熱伝導を利用することで、厚みのある肉だねの中心部まで確実に75℃以上・1分間以上の安全加熱条件を満たすことができます。仕上げに蓋を取り、火力を少し強めて両面を30秒ずつ焼けば、内部に閉じ込められた余分な水分が蒸発し、深鍋で揚げたような香ばしいカリッと感が蘇ります。